山本周五郎 ~さぶ~


  名作との呼び声も高い 

 
 小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋をさぶが泣きながら渡っていた。その後を追い、いたわり慰める栄二
 ――― 江戸下町の経師屋芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶの、辛さを噛みしめ、心を分かちあって生きる純粋でひたむきな愛と行動。やがておとずれる無実の罪という試練に立ち向う中で生れたひと筋の真実と友情を通じて、青年の精神史を描く。


 山本周五郎著【さぶ】の背表紙には、こう書かれている。


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